国税庁はこのほど、平成21年度(21年4月〜22年3月)の相続税の延納・物納制度の申請、処理状況について公表しました。
それによりますと、物納申請件数は727件であり、平成18年度改正による新制度への移行に伴い大きく落ち込んだ19年度の383件と比較すると2倍近くに伸び、前年度比でも29件・4%強の微増となっています。ちなみに、バブル経済崩壊の影響を受けて物納申請がピークを迎えた平成4〜6年度の1万件超と比べると20分の1に過ぎません。
一方、物納処理の態様を見ると、新制度移行後却下件数が増え続けているのが大きな特徴として挙げられます。21年度の却下件数は54件で前年度(27件)の倍に増えていますが、これは申請件数が1万件を超えていた平成4〜6年度と比較しても格段に多く、却下率でいえば20倍超に達しています。
却下の要因としては
(1)金銭納付困難の事由がない場合、
(2)管理処分不適格財産の申請があった場合、
(3)物納申請関係書類が期限までに提出されなかった場合
がありますが、新制度では関係書類も含め、原則として相続税納付期限までの対応が求められていることから、(3)が多いと思われます。
また、物納申請の取下げも149件で前年度と同数ながら、申請件数に対する割合は2割強であり、新制度への移行後高止まりの傾向にあります。物納申請関係書類の訂正等に応じなかった場合、20日以内に訂正しないと取下げとみなされることが影響しているようです。(2010/7/30) |