冷凍倉庫に係る固定資産税を長年、評価の高い一般倉庫として課税されていた納税者に対し、市は5年分の過納金を返還しましたが、納税者は国家賠償法に基づく20年分の返還を求めていた事件で最高裁第一小法廷は6月3日、「課税処分に対する審査の申し出や取消訴訟の手続を経なくても、納税者は国家賠償請求訴訟ができる」との初めての判決を下しました。
従来は、取消判決を経なければ国家賠償請求訴訟を提起できないとか、取消訴訟の出訴期間を徒過したときは国家賠償請求できないというのが通説でしたが、今回の最高裁判決はこの通説を覆すもので、大きな波紋を呼んでいます。
具体的には、「あらかじめ当該行政処分について取消し又は無効確認の判決を得なければならないものではない」(昭和36年4月21日最高裁第二小法廷判決)との判決を援用し、「たとい固定資産の価格の決定及びこれに基づく固定資産税等の賦課決定に無効事由が認められない場合であっても、公務員が納税者に対する職務上の法的義務に違背して当該固定資産の価格ないし固定資産税等の税額を過大に決定したときは、これによって損害を被った当該納税者は、地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経るまでもなく、国家賠償請求を行い得るものと解すべきである」と判示しました。(2010/6/29) |