土壌汚染に関する土地の相続税評価については、平成16年7月5日付けの国税庁情報によってその取扱いが明らかにされていますが、法人税の取扱いに関する納税者からの照会に対し、福岡国税局が今年3月26日付けで回答していたことが分かりました。
照会したのは、自社の所有地で農薬製造工場を営んでいた法人で、20年以上前に農薬製造を廃止し、工場跡地の一部を賃貸して収入を得ていました。その跡地に隣接する工事現場で基準値を超えるダイオキシンや農薬類が検出されたことから、その工場跡地についても調査したところ、土壌及び地下水とも汚染されていることが判明しました。
同社は親会社の協力を仰ぎながら県や市と協議を重ね、地元住民が構成する対策委員会と同社との間で「工場跡地の土壌・地下水汚染対策に関する覚書」を締結しました。覚書によれば、平成21年から33年までの間に、
(1)遮水壁を埋設(隣地への地下水流出の防止)、
(2)汚染土壌の掘削除去、
(3)汚染土壌の焼却処分、
(4)良質土による埋戻し、
(5)地下水の浄化、
(6)アスファルト舗装(汚染拡大の封じ込め)
までを完了することとされました。
これらの工事費用のうち、修繕費としての損金算入の可否を照会し、認められたのは(1)〜(4)と(6)の費用でした。(2)と(4)は土壌汚染前の状態に回復するために要する費用であり、資本的支出に当たらない、(1)と(6)は被害拡大の予防の観点から設置したものであり、新たな構築物の取得には当たらない、(3)は焼却処分の委託費が修繕費に該当する、というのがその根拠です。
(5)の浄化設備についてのみ、汚染土壌対策後に除却や転用又は売却ができることから、減価償却資産の取得費用に該当し、資産計上することが相当との考えを確認しています。(2010/6/29) |