スパイラル(spiral)といった場合、一般には、螺旋(らせん)とか渦巻きといわれる。教育課程を編成するにあたって、教育内容をスコープとシークェンスという二つの側面から組織することになり、学校段階・各学年をタテ軸にして、学年毎に教育内容を配列していく。その際、同じ領域や題材についても、学校や学年間等であえて重複させ、螺旋階段を昇るがごとく次第に複雑で高度なものを位置づけていく。この教育内容の螺旋的な配列の仕方を“スパイラル”とよぶ。
中教審教育課程部会「審議のまとめ」は、発達や学年の段階に応じた反復(スパイラル)による教育課程の編成という観点から、“反復”とか、“重複”という意をもって、このスパイラルという用語を用いている。例えば、「学校や学年間等であえて反復(スパイラル)することが効果的な知識・技能、等に限って、内容事項として加えることが…。」といった文言がみられる。基礎的・基本的な知識・技能の習得について、確実な習得を図るにあたって、効果的であると判断される場合に、学習する内容を学校や学年間などで重複させる扱いを認めるという趣旨である。
スパイラルを螺旋ととらえるならば、教育内容の系統性など教育課程の編成の問題として、また、反復ととらえるならば、繰り返し指導など教育方法上の問題としてとらえられる。「審議のまとめ」は、この両者を重ね合わせるような使い方をしている。
このようなスパイラルをはかるねらいには、算数・数学、理科の重視があり、内容の系統性をふまえた教育課程の構造化や反復学習などの繰り返しなどの求めがあり、反復(スパイラル)による教育課程の編成や学習の求めがある。ただし、この考え方や手法は、算数・数学や理科に限定されるものではなく、教育内容の系統性を検討して教育課程の編成することにおいて、すべての教科等において用いることが可能であることを確認しておきたい。
(千葉大学教授 天笠 茂) |