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■研究主題:学び合う姿をもとめて
──生徒と共につくる「教科ならでは」の授業を通して──
茨城県東茨城郡大洗町立南中学校(平成19年度教育実践研究発表会冊子より抜粋)
(全1ページ)(2008/8/18)
 
研究の全体構造

〔研究主題〕
学び合う姿をもとめて


〔ねらい〕
学び合う姿をもとめることによって、論理的な思考を深めたり感性を磨いたりして伝え合う力を伸ばし、信頼関係を土台とした人と人との関わりの中で生きる力を養う。
やじるし
〔研究副主題〕
生徒と共につくる「教科ならでは」の授業を通して

〔生徒と共につくる授業とは〕
○ 生徒のつぶやきや発言・発表そして作品などを教材として生かす授業
○ 生徒自身に大切にしたい課題を見いださせ、価値ある学習活動に主体的に取り組ませる 授業
○ 生徒が仲間と共に問題解決・課題達成に向けて考えを深め合ったり表現力を高め合った  りする場面を工夫する授業

【研究仮説】
○ 日常的な授業の中で柔軟な対応をしながら生徒のつぶやきや発言・発表そして作品など  を教材として取り込み、生徒の主体的な活動を生かす授業を通して、感性を磨き他者への  共感を高めながら互いに学び合える生徒が育つであろう。
○ 生徒が仲間と共に問題解決・課題達成に向けて考えを深め合ったり表現力を高め合ったり  する場面を工夫した授業を実践することで、筋道を立てて考え、自分の気持ちや考えを伝え  ることのできる生徒の育成が図られるであろう。

【研究の実際】
○ 各教科における「学び合い」を通して育てたい力の明確化と、その力を育てるための具体  策の設定
○ 問題解決・課題達成に向けての考えを共に深め合い、表現を高め合うことのできる学習過  程の工夫
○ 授業における生徒一人一人の見取りと、つぶやきなどを生かす指導・支援方法の研修
○ 大学等からの講師を招聘した研究方法の理論的な研修

 
 
研究の基本的な考え方
 「学び合い」とは

 「学び合い」とは、生徒の「生きる力」を育む過程である。
 学習指導要領において目指されている「生きる力」は、「確かな学力」、「豊かな人間性」、「健康・体力」の3つの側面から、全人的な育ちをねらいとしている。本校の研究では、特に「確かな学力」について着目する。「確かな学力」とは、自分で使いこなせるように覚え、使いこなすことの意味までわかること、つまり見えない学力(関心・意欲と思考力・判断力)に支えられた見える学力(知識・技術)を形成することと理解する。
 「学び合い」は、第一に問題解決や課題達成に向けて、習得した知識や技能をお互いに話し合ったり発表し合ったりすることで仲間から刺激を受け共感しながら、見える学力としての知識・技能の育ちを促す。
 第二に、対象に出会って心に響くものや取り組みたい課題を見いだし、他者とその感動・思考を分かち合ったり違いを知ったりする過程で、見えない学力とされる生徒の内面(関心・意欲や思考・判断)での育ちが図られる。
 さらに第三として、「学び合い」の中での知識・技能の育ちと生徒の内面における育ちは、生徒たちにとっての体験として残る。
 つまり、「学び合い」とは、人が人に学び、人がもの(こと)に学ぶ過程であって、知識・技能の育ちを促すと同時に学びを内面化する手立てであり、さらに「学び合い」を通して「確かな学力」の土台を築く体験へと定着する。
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 「学び合う力」と「伝え合う力」
   「学び合う力」を育てるねらいは、「論理的な思考を深めたり感性を磨いたりして『伝え合う力』を伸ばし、信頼関係を土台とした人と人との関わりの中で生きる力を養う」ことである。
 具体的には、「学び合い」のためには生徒が授業の中で自分の思い・考え・発想を躊躇せずに他者に開いて発することができることが大切である。つまり互いの信頼関係が育成されていなければならない。受容側は友達からの発信を心を開いて受け止め、自分の考えや発想と比較し、相違点や共通点を発見して自分の考えを見直してさらに相手に返していく。自分の発見を自分だけのものとせず相手に伝えることで、相手の変容をも誘う。この過程を経て、生徒同士がお互いの考えや発想を交流させていく。お互いに考えや発想が違うという前提に立って、だからこそ、「そうか、あなたはそう思うのか」「自分には考えつかなかった見方があるのだな」という驚きや感動が、学びを推し進めるエネルギーとなり、同時に獲得される知識や技能の裏付けとしての体験となる。相手の発想や意見に耳を傾けながら、それぞれの道筋を通って目標に到達するとき、お互いへの信頼感は更に深まり、他者の存在を認める社会性の高まりの中での学びが成立する。
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 もとめたい学び合う姿とは

 創造的な学習(話す・歌う・つくる・動く)の情報交換や話し合い活動を通して次のような姿が考えられる。
 ○ 生徒たちの間に双方の考えの広まりや深まりがある。
   ・ ○○さんの発表について考えてみたい。
   ・ いろいろな意見を聞いた上で自分はこう考える。

 ○ 生徒たちの間に新たな発見が見られる。
   ・ 見方を変えて解くなんてすごいな。
   ・ 友達と話していたら、新しいことに気づいた。
   ・ △△に気づいて解くなんてすごいな。
   ・ 友達の発表から新しい見方を見つけた。

 ○ 生徒たちの間に信頼関係の深まりが見られる。
   ・ 自分の考えをはっきり表現できる○○さんはすばらしい。
   ・ ○○さんの話に、みんなが集中するね。
   ・ ○○さんの表現はきれいだな。
   ・ 友達といっしょに△△を追究したい。

 
 
 生徒と共につくる授業とは

 本研究における「生徒と共につくる授業」とは、「生徒のつぶやきや発言・発表そして作品などを教材として生かす授業であり、生徒自身に大切にしたい課題を見いださせ、価値ある学習活動に主体的に取り組ませる授業である。また、生徒が仲間と共に問題解決・課題達成に向けて考えを深め合ったり表現力を高め合ったりする場面を工夫する授業である。」と規定する。
 校内研修では、小林宏己東京学芸大学教授の「子どもとともにつくる教材」の考え方を参考にして進めてきた。
 小林教授によると、まず、子どもに可能な限り主体的で探究的な学びを保障するために、授業における子どもと教師と教材からなる「3角形のモデル」に、「学習活動を加えること」が提案されている。「授業展開のなかで子どもとともにつくる、いわば『構築的教材』の存在に意識をはらうこと。そして授業における具体的な学習活動を多様に工夫して、子どもたちが主体的に考える場を保障し、その場から生まれる子どもたちの表現のなかから、追究の芽を発見すること。」(小林宏己著「子どもの学び・教師の学び」教育開発研究所)が教師の大事な教材および活動研究であるとされる。

  「『構築的教材』とは教師が選択・構成した教材ばかりでなく、学習展開の発展とともに、子どもと教師の対話的・協同的な関係のなかで構築されていくもの」であり、「さまざまな思考・表現物(ノート、カード、作文、制作途中の構成物・板書)として生成されている。」(同上)
  「生徒と共につくる授業」実践にあたっては、以下のような点に注意しながら授業検討を行っ ている。
○ 構築的教材の活用を図りながら、教材研究を深め教師自身があらかじめ生徒の活動を予  想しておくことで、生徒同士がお互いの表現の価値を認め合える授業展開を目指す。
○ 生徒の実態を把握した上で、学習活動には十分な時間と場を確保し、生徒の主体的な学  びの育成を図る
 
 

「生徒と共につくる授業」チェック表
生徒と共につくる授業とは
 ○ 生徒のつぶやきや発言・発表そして作品などを教材として生かす授業
  (  )生徒の活動をビデオにとって教材として生かす
  (  )生徒の作品・文章をワークシートにして教材として生かす
  (  )生徒の気づきや驚きのつぶやき・発言を生かす
  (  )思いや考えの発表(一斉・グループの中で)を生かす
  (  )生徒の躓きや間違いなどをその場で生かす
  (  )作品・文章などをその場で生かす
  (  )表情・仕草などをその場で生かす

 ○生徒自身に大切にしたい課題を見いださせ、価値ある学習活動に取り組ませる
  授業
  (  )生徒が課題・問題を複数の選択肢から選んで取り組む
  (  )生徒自身の課題を各自で決定して取り組む
  (  )一つの課題・問題を解決する複数の方法から生徒が選んで取り組む

 ○生徒が仲間と共に問題解決・課題達成に向けて思考を深め合ったり表現力を高め合っ   たりする場面を工夫する授業
  (  )目的に合わせて個人・ペア・グループ・一斉などの学習形態を工夫する
  (  )単元のねらいに応じて、話し合い・実験・観察・表現練習・鑑賞などを通した学び合
      い・伝え合いの場面を工夫する
 
 
 
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