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花のふしぎ 不思議発見
 
●NO.12 桜のルーツはヒマラヤ山麓[桜類=バラ科](2008/2/18)
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写真・文/山下喜一郎
 
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 世間一般でいう桜には山桜もあれば里桜、シダレザクラなど、一切合切が含まれており、ときどき話が交錯するようなことはあっても、別に不自由だとは思わない。そうかといって、漠然とした桜の概念をそのまま持ちこんでしまうと、話が混線して収拾がつかない。
 バラ科サクラ属サクラ亜属の総称である桜は、江戸時代に400近い品種が、明治以降になると新たに400種以上の園芸品が確認されており、ここでは10群(8群など諸説あり)ある野生種のうち、主だった桜について触れていきたい。

野生種=1.カンヒザクラ群 2.オオシマザクラ群 3.オオヤマザクラ群 4.エドヒガン群 5.ヒガンザクラ群 6.ヤマザクラ群 7.チョウジザスラ群 8.マメザクラ群 9.ヤマザクラ(タカネザクラ)群 10.カスミザクラ群

 桜については、書きたいことは沢山あるのだけれど、こと桜となると妙に「構えて」しまう。富士山と対峙する山岳写真家の心境といったらご理解いただけようか。下手をすると「絵ハガキ」、単なる観光写真にすぎない富士山は撮りたくない。桜も同じで、「そんなこと知ってるよ」なんてことは、できれば書きたくないのだが「無理だろうな」。

*  *  *
 自分で撮った写真で桜だけのカレンダーができないものか。
 漠然としていたイメージがふくらみ始めたのは10月ザクラの花を見てから。年の初めから順を追って思い出すと、1月は沖縄のカンヒザクラ、2月は伊豆大島のオオシマザクラとなぜか千葉県館山の河津ザクラ、3月から5月にかけては選ぶのに苦労するほどあって困らない。6月は梅雨の最中に栂池の奥でミヤマザクラが咲いているのに出合い、7月は夏スキーで登った利尻山でチシマザクラを見ている。
クリックで拡大 10月に入れば10月桜とフユザクラがあり、12月に花をつけるヒマラヤザクラが熱海市下多賀にあるという新しい情報も仕入れた。問題は8月と9月。9月はウワズミザクラと同じ仲間のバクチノキがあるが、群は同じであっても花の保つ雰囲気は別物で、これを挿入すると写真家としてのプライドが傷つく。
 困ったなと思ったとき頭に浮かんだのが多摩森林科学園、ここならサクラの種の保存と収集で知られた施設、何かいい知恵を教えてくれるかもしれない。
 「8月、9月ですか。9月は[狂咲き]といって、ソメイヨシノをはじめ、いろいろな種類のサクラが咲くことは咲くんですが、8月に限ってはお答えするデータを持ち合わせておりません」
 欠けるのは8月だけ、もう一息というところでカレンダー企画は頓挫してしまったが、「桜の花はほぼ一年中咲くのだ」という事実は、ぜひとも注目していただきたい。
 
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