
七夕の日に何年かぶりの入谷(いりや)朝顔市へ行った。いつの頃からか、「市」ではなく「まつり」と呼ぶようになったらしいが、ぼくら世代は朝顔市でないとぴんとこない。
この前出かけたときは午後からだったのでしぼんだ花ばかり。「花が咲いてないじゃないか」とつい口を出したら、
「朝咲くから朝顔でしょう」
と完全に一本取られた。
3日間で20万鉢を売るといわれる朝顔市には、言問(こととい)通りに面して露店が軒を連ねる。人気は栗皮茶色と称する団十郎と青紺(あおこん)に江戸紫と濃桃(のうもも)を組み合わせた大輪咲きにあるらしく、ぼくだったら江戸時代の名歌舞伎役者、7代目市川團十郎が好んだという1鉢に手を伸ばしたい。
団地住まいをするようになってアサガオとの縁は切れたが、結婚するまで毎年、夏がくるごとに馴染んできた花である。よくよく考えると、見ていたのはしぼんだなれのはてばかり、アサガオとはいっても何時に咲いて、何時にしぼむのかも分かっていない。これじゃいけないと思った。
手始めに思いついたのはまたしても孫、小学校で必ずやるアサガオ観察があるじゃないかとばかり、さっそく電話して確かめるが、観察は1年生の夏と聞き「こりゃあ駄目だ」とあきらめる。入学したばかりの1年生に「アサガオの花が何時に咲くのか」だの「つぼみから満開までおよそ何時間かかるの」なんて質問するほうが土台、間違っている。
ピカピカの1年生にとっては、種子を蒔いたアサガオが芽を出し双葉を広げ、水を撒いてやりさえすればつぼみをつけ花が開くという大まかな経緯、つまり「観察のいろは」が分かればいいのであって、題材に選ばれたアサガオは、花が大きくしかも育てやすいことで抜擢された主役にすぎない。
ここから先は横道にそれてしまうのだけれど、もうしばらくお付合い願いたい。
アサガオの観察は一回で終わらせるのではなく、高学年になった時点で少なくとももう一回行うと効果があるんじゃないか。例えばの話、左巻きの蔓(つる)は放っておけばどこまで延びるかとか、支柱は垂直がもっとも早く、水平に近いほど蔓が伸びる速度が遅くなるとか、蔓の太さは5〜6cmが限界であるとか、実験すれば面白い結果が次々に分かってくる。
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